帰化の専門家が気にする意外な点

本日は帰化申請の専門家の視点ということをお話ししたいと思います。

私が専門家というのはおこがましいですが、まあたかだか10年ぐらいで1,163人の許可実績がございますが、この実績は私も誇らしいとは思っていますが、要は10年やろうが20年やろうが、わからないことはわからないってことは、どんだけやってもあるということですね。

その上で私が在日の皆さんの帰化申請について、相談を受けたり申請を進めてたりする中で実際に何を気に掛けているのかってお話をしたいと思います。

許可の可否

まずは許可されるかどうか、まあ当然気にします。全く許可される見込みのない方は仕事としてお受けできませんので、できる限り許可の可否を見極めるということをします。

収入納税

まずは収入や納税面ですね。

同一家計の中にお勤めの方しかいなければ、収入面はあまり気にしません。

しかし、いつから勤務しているのかは気にします。要は直近2年くらいの間に転職がある場合には、適正に年末調整なり確定申告しているかってことが問題になりますので、その辺は気にします。

あと、学生さんやフリーターの収入の申告も結構気にします。これ皆さんバイトのレベルで非課税だからってあまり気にしてないんですが、バイトであろうが収入納税義務はちゃんとありますので、チェックは必要です。

個人事業主の営業所得

個人事業主の方は、直近2年の営業所得の金額は気にします。売上から原価経費を差し引いた金額ですね。

これがマイナスだとちょっと厳しいですね。個人事業主の場合は申告書上のこの数字が手取りの収入に直結する数字なので、マイナスだと「収入ないじゃないですか」って話になりますので。

いや実は節税対策でマイナスにしてるんで、実際はお金あるんですってのは、通用しませんので、そうなると虚偽の確定申告ってことになってしまいますので。

役員報酬

次は会社役員の方ですね。

役員報酬の金額は気になります。役員報酬10万とかだと、それが家計を担う方だったりすると厳しいですね。

というのは会社にいくらお金があっても、会社と個人の財布は別ですから、個人の所得は役員報酬ですから、一般的に家計を維持できるだけの報酬額がないとすんなり行かないところですね。

あと、会社自体のことですが、直近2期とも欠損が出ていると難しいかもですね。会社の期数にもよりますけども、設立間のなくて連続赤字だとなると、最近は難しいかなと感じています。この辺は実際に見極めるのは完全には難しいです。

会社については社会保険の適正加入と加入時期、それから税務署から重加算税課せられていないかどうか、直近2期ですけども、重加算税ついてると不許可になると判断しています。重加算税ついてて申請したことはないので100%無理かどうかわかりませんが、いろいろ聞いていると無理っぽいですね。

韓国戸籍

はい、次は身分関係についてです。

在日の方の帰化申請においてはなんといっても韓国の戸籍が重要です。

皆さんこの辺しっかり承知されている方少ないので、基本的なことから確認していかないといけないですね。

まずは正規のパスポート取ったことあるかどうかですね。パスポート取れたということは、韓国の家族関係登録簿に名前があるということですから、戸籍類があるということになります。

実際に戸籍類を取るには本籍地の情報が必要ですから、手元に本籍地がわかる資料があるかどうか確認します。

これ全く当てがないとなると、色々知恵絞ってやらないといけないので、その辺を最初の段階で見極めます。

韓国の戸籍ですが、揃えたり翻訳したりかなりの重労働ですので、10年やってきても、戸籍をしっかり読み込んで、帰化申請に足りるものをしっかり揃えるのはほんと結構大変です。

あと、戸籍の決定的な不整序、間違いですね、例えば実父でない人が実父として載っているとか、これ回復不可能な場合もありますんで、これは相談の段階ではわからないですけどね、こうゆうことがないかどうか非常に気にします。

出生届など

在日の方は日本の出生届や婚姻届をはじめとする戸籍届出書や日本の戸籍藤本も必要ですから、これらをきっちり短時間で取るには、まずはお客さんからなるべく正確な情報をもらうことを気にかけます。

出生届などはですね、出した役所にしか残ってませんので、請求して出てくるかどうか、これが全てなんで、とにかく可能性の高いところに請求してみるしかない。

だから当てが外れて何度もいろんな役所に請求することがあります。そんなことしていると1ヶ月2ヶ月すぐ経ってしまいますので、お客さん任せではなくてですね、なるべく情報を引き出せるように、その辺は気にしますね。

すんなり取れればいいのですが、取れないことも多くてですね、そうゆう場合どうしたら良いかってのは、ケースごとに千差万別ですので、経験が結構ものを言います。

特に在日コリアンのことは特殊な事情が多いですから、在日のことがよくわかっている方は強いというところがあります。

日本の戸籍謄本

日本の戸籍謄本といえば、日本人配偶者の戸籍謄本、これは婚姻中の方ですとか、離婚しても間にお子さんがいる場合は、本籍地の見極めはそんなに苦労しませんが、離婚した日本人の配偶者の戸籍、そして間にお子さんがいなければ、本籍地を見極めて、取る権限を示して実際に取得するのは、これはかなり大変ですね。この辺もどれくらい情報いただけるのかまずは気にかけますね。

兄弟姉妹で帰化した方がいれば、日本の戸籍謄本必要ですので、どれくらい協力得られるのか、スムーズに帰化事項が載った戸籍にたどりつけるか、そこも気にかけるところです。

まだいっぱいあると思いますが、頭に浮かんだことつらつらあげてみました。

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