本日は帰化申請に必要な韓国戸籍類の説明を簡単にしたいと思います。
韓国戸籍類と言うのは、家族関係証明書と除籍謄本に分けられますし、家族関係証明書はさらに5種類に分けられます。
法務局が当然の如く求めるものでも領事館によっては取れないものもあるし、何かとこの韓国の戸籍類というのは曲者なんですが、帰化申請においては最重要書類でもあります。
そして、韓国へ日本人配偶者との婚姻や子の出生をしてないけど大丈夫かとよく質問受けるんですが、そのことについても後半お話しします。
目次
はい、では帰化申請に必要な韓国戸籍類の説明をします。
韓国においては、2008年に戸籍法が廃止され、戸籍情報を個人単位で管理する家族関係登録法ができました。
2008年より前の戸籍簿は全て除籍簿となって除籍謄本と言われるようになりました。
だから領事館に行って韓国の戸籍謄本下さいって言っても韓国には「戸籍謄本」はありませんって言われちゃいますんでね。
そして2008年から家族関係証明書というものが戸籍謄本の代わりに発行されるようになりました。
帰化申請に必要な家族関係証明書は次のとおりです。
申請者の5種類の証明書が必要
基本証明書、家族関係証明書、婚姻関係証明書、入養関係証明書、親養子入養関係証明書、この5種類ということになります。
家族関係証明書の種類はこの5種類だけです。また証明書ごとに一般と詳細という種類に分けられますが、帰化申請においては詳細のものが必要です。
で、この5種類の証明書に記載されていることは、以前は全て戸籍簿に記載されていた内容と同じですね。
戸籍簿に載っていたことを個人ごとに整理して登録して、その情報を個人ごとに5種類の証明書に分けて発行するようになったということになります。
はい、では次に父母の家族関係証明書と婚姻関係証明書が必要になります。
父母の家族関係証明書には、兄弟姉妹が載っています。ですので、自身の兄弟姉妹を確認するには親の家族関係証明書を見ないとわからないということになります。
余談ですが、生き別れたとか、交流が断絶している兄弟姉妹が、亡くなったとか帰化したとか、知らなかった事実を親の家族関係証明書で知るってこともありますね。
親の婚姻関係証明書も当然必要です。親が婚姻しているかどうか、そしてその時期については、帰化をして自身の日本の戸籍を作る際の重要な情報になりますので必要です。
では親の基本証明書要らないかってことなんですが、帰化している場合や、親が死亡している場合は私は要ると思ってるんですが、求められないこともあると思います。
次は除籍謄本に行きます。
除籍謄本は2008年以前の戸籍簿が戸籍法が廃止されたので、全て除籍謄本と呼ばれるようになったものです。
除籍謄本は家族関係証明書のように、それくださいって言って1通ぽんと出てくるものではないんですね。
戸主が誰のもので誰が載っているものを欲しいと言わないとそのものが特定できないんですね。
除籍謄本は本人の出生時、父母の婚姻時、時には母の出生時まで遡って必要になります。
そして分家や戸主相続などによって戸籍が改まるので、前のものが閉鎖されて新しいものに移っていくので、何通にもなりますし、証明書と違って除籍謄本は1通あたり、何ページにもなりますので、帰化申請に必要な除籍謄本はトータルで何十ページにもなるということですね。
だからこの除籍謄本の翻訳料が帰化申請においては一番お金のかかるところですね。
では、最後に日本人配偶者との婚姻や間にできた二重国籍のお子さんの出生を申告してないけど大丈夫かって問題をお話しします。
まあ、帰化申請はこれ申告してなくてもできちゃうんですよね。配偶者側の日本の戸籍謄本に全て載ってますので。
日本の法務局は韓国の戸籍にそれをちゃんと載せているかどうかは、まあ言ってみたら預かり知らんことなんですよね。
日本の戸籍を管理するのが法務局ですから、韓国の戸籍のことをあれこれこうしてくださいって言うのは仕事じゃないわけですね。
そして帰化申請は日本の戸籍を作る情報を精査するわけですが、日本人配偶者との婚姻等の事実は日本の戸籍で確認できるので、それで足りると言うわけです。
で、実際のところ、日本人配偶者との婚姻とお子さんの出生を申告してない方がほとんどで、そのまま帰化される方がほとんどなのが現実です。
しかし、とは言えですね、韓国に申告しなくても大丈夫とは私は言えないんですね。
例えば日本人がですよ、結婚したことを戸籍に載せなくてもいいですよね、なんて言わないしそんなことはあり得ない。
韓国人が韓国の戸籍に事実を登録するってことはそれと一緒のことで、本来であれば、申告するしないの判断の余地はないんですね。
また、韓国人であった間の身分関係の証明は韓国の戸籍でしますので、帰化した後も相続手続きなどで韓国の戸籍は必ず必要になります。
その際に事実が載ってないのであれば何か不都合が起こることはないとも言えないというところはあります。
そして二重国籍のお子さんのことですが、出生の申告をしていないと、これは端的にいうと、日本国籍だけにする場合に、韓国側での国籍離脱手続きができないと言うことになります。
そもそも登録がないわけですから、それを離脱もしようがないと言うことです。しかし韓国人の父または母の元に生まれてますから法律的には事実として二重国籍であることは間違いなってことになりますので、韓国側で離脱をしっかりしようと思えば、まず出生の申告が必要になると言うことです。