今回は戸籍の転籍についてお話ししたいと思います。
戸籍の転籍とは戸籍の本籍地を別のところに移すことを言います。
戸籍の本籍地とは地番や住居表示の街区符号のことで、戸籍を識別するための一つの情報となっています。
よく混同されるのが、この本籍地と住所とは何の関係もありません。住所と本籍地が異なっていても何ら問題ありませんし、どこに住んでいようとも本籍地は日本中どこでも好きなところに置けます。
またいつでも本籍地を好きなところに変えることができます。そのために転籍という制度があります。
帰化にまつわる話として、帰化後にできた日本の戸籍に記録された帰化事項を載らないようにするために転籍をする方が結構いらっしゃいます。
どうゆうことかと言いますと、帰化すると日本の戸籍ができて、そこには帰化した事実が載ります。
その戸籍を転籍すると、転籍先の戸籍に帰化した事実の部分の記載が載らなくなるので、生来の日本人と同じような戸籍の体裁を望む方は、結構転籍をされるということになります。
ただし、転籍と言っても、同じ市区町村内で転籍しても帰化事項は載ったままです。本籍地を今ある市区町村から別の市区町村に転籍をしないと帰化事項は載らなくなりません。これは戸籍を管理する単位が市区町村なので、こうゆうことが起こるわけです。
転籍によって帰化事項が載らなくなったとしても、帰化した方だと思わせる記載は残ります。それは父母欄ですね。父母が帰化をしていない方であれば、父母欄の氏名は本名で記載されます。通称名では載りません。ですので、その父母欄を見れば生来の日本人ではないということがわかるということです。
転籍によって帰化事項が載らなくと言いましたが、帰化した記録が全く消えるわけではありません。
転籍をして新しい戸籍ができますが、そこには転籍元の戸籍の本籍地を含めた情報が載ります。つまり、どこから転籍してきたのかがわかるようになっている、元の戸籍を辿れるようになっているわけですね。
ですから戸籍を辿っていけば、帰化事項が載った最初の戸籍にたどり着くことができるという仕組みになっています。