前回は在日韓国人の相続手続きにおいて、帰化人であっても韓国戸籍が必要になるというお話をしました。
今回はその韓国戸籍って一体何なのかってことを、簡潔にお話ししたいと思います。
戸籍っていうのは大きな括りで言いますと、人の生まれから死亡するまでの親族の関係を表すものです。
どの父母の間に、いつどこで生まれ、いつ誰と結婚し子供はどうもうけたのか、そしていつどこで亡くなったのか、加えて認知、離婚、養子なども含まれますが、そのようなことが記録されたものです。
相続手続きの際には、亡くなった人に対して、一体誰が法律で決められた相続をする人なのか、これを明らかにするために戸籍が必要になります。
韓国にも長く戸籍制度がありまして、現在も存続しています。
韓国の戸籍と言っても、現在は正式には「戸籍」とは言いません。
現在は家族関係登録と言います。
2008年まで「戸籍簿」というのがあったんですが、戸籍法が廃止されて新しい「家族関係登録簿」というものができました。
2008年を境に「戸籍」と「家族関係登録」と別個のものになったわけですが、連続しているもの、続きのものだと考えてください。
2008年より前のことは戸籍に載っていて、2008年より後のことは家族関係登録に載っているので、相続の時なんかは両方いるということになります。
除籍謄本って言葉を最近はよく聞くと思いますが、この除籍謄本は、2008年より前にあった戸籍簿が閉鎖されて除籍という名前で保存されたものです。
ですから現在、相続の際に必要なものは、「家族関係証明書類と除籍謄本」とセットで言われます。
これは全く別個の2個のものがいるという訳ではなくて、連続しているものですが、2008年境に制度が変わったので、分けて考えなくてはいけないということです。
あと、家族関係証明書という言葉ですが、正式には家族関係登録事項別証明書といいまして、5種類の証明書があります。
何かと言いますと、基本証明書、家族関係証明書、婚姻関係証明書、入養関係証明書、親養子入養関係証明書、という5種類の証明書です。
この5種類が揃って初めて全ての親族関係を表すことができるということになります。
2番目に言った「家族関係証明書」という言葉が紛らわしくて、家族関係証明書と言ったときに、5種類の証明書全体を表すこともあれば、証明書の一つである家族関係証明書だけを表すこともあるので、紛らわしいので注意してください。