意外と危うかった特別永住資格。実はその歴史はまだ浅い。

特別永住資格って、実は出来たのは最近のことって話をしたいと思います。

特別永住資格ってのは、まさに名前の通り、外国人の他の在留資格とはちょっと性質の違うものです。

歴史的経緯を踏まえて、戦前から日本に在留する朝鮮半島出身者に対して永住する資格を与えたものです。

ポイントはその子孫まで永住資格をあたえるというのがポイントです。

しかし、この特別永住は意外に歴史が浅いんですよね。

特別永住資格が出来たのは、実は平成3年なんですね。

言ってみたら最近ですよね。

戦前に朝鮮半島が日本の統治下にあった時に日本に渡ってきた在日1世が、戦後も日本に残って生活の基盤を築いて、子や孫をもうけて今に至るのが在日の歴史です。

戦後しばらくは子々孫々まで永住権を与えるという法律的な仕組みはなかったわけなんですね。

平成3年になって初めて特別永住権ができて、特別永住者の子孫も永住権が与えられることになったんですね。

ですからそれまでは、協定永住など、色々経過をたどりながら、在日コリアンの皆さんは日本に滞在してこられた。

だから言ってみれば、実は、仕組み上は不安定な状況にあったとも言えると思うんです。

我々当事者である一般の在日はあんまり意識して生活してきたわけではないですが、改めて歴史を振り返ると、当然のごとく日本で暮らせたわけではないということですね。

さてその特別永住者ですが、現在では30万を切って29万人ほどになりました。

2世も高齢化してきて、自然減していますし、我々3世以降は日本人と結婚することがほとんどなので、その子たちは日本人となりますから、今後も急激に減っていくということになります。

最後にちょっとおまけのお話し。

よくお客さんにお子さんの特別永住者証をお願いすると、特別永住許可書を間違って送って来られることがあるんですね。

16歳未満のお子さんでまだカードを持ってなくて、古い外国人登録証をみなしカードとして持っている子もいますので、勘違いされる原因かと思うのですが。

帰化が許可されると、特別永住者カードやみなし外国人登録証は法務省に返納しないといけないです。

その際にその特別永住許可書(A5サイズくらいのクリーム色の厚手の紙のもの)をどうしたら良いかと聞かれることがあります。

それは、返納の必要はなくて、記念に持ってるなり廃棄しても大丈夫です、というプチ情報でした。

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