帰化した後にもし離婚したら、自分の苗字(氏)はどうなってしまうのだろうと疑問に思う方もいると思います。
日本人同士だったら、夫は苗字はそのままで、妻は旧姓(旧氏)に戻るかそのまま夫と同じ苗字にするかですよね。
では在日の方が帰化して離婚する場合はどうなるのか。結婚前の通称に戻ることはできるのか?
1,051人(そのうち在日同胞が1,037人)を帰化の許可に導いた専門家が解説します。
目次
日本人の夫と結婚してその後に帰化をした在日女性のケースで見ていきましょう。
在日女性の帰化前の本名は李花子、通称名は木村花子でした。
そして日本人の加藤太郎さんと出会い結婚しました。結婚して通称の苗字を加藤に変えました。
そして帰化をしました。帰化をすると普通は夫の戸籍に入籍します。そして自動的に日本人としての苗字は加藤になります。
帰化をして日本人になれば、公的な苗字は戸籍上の苗字だけになります。
では、その状態から離婚すると妻側の苗字がどうなるのか見ていきましょう。
離婚すると妻は夫が筆頭者の戸籍を除籍になり新戸籍を作ることになります。
その際に今までの苗字である加藤にすることはできます。
では、生来の日本人のように旧姓にすることはできるのでしょうか。
生来の日本人は結婚する前にも当然日本の戸籍があるので、その戸籍の苗字、つまり旧姓に戻すことができるわけです。
しかし、今回のケースのように在日女性が結婚をした後に帰化をした場合には、帰化をして夫の戸籍に入籍して初めて日本人としての苗字が加藤になったわけです。
だからこれより前の日本の戸籍が存在しないので、日本人としての苗字も存在しないので、戻るべき旧姓も存在しないということになります。
では、生来の日本人のように旧姓に戻るような選択肢は残されていないのか?
実は離婚した夫の苗字にしない場合には、好きな苗字にすることができます。
離婚届に好きな苗字を書いて離婚後の苗字とすることができます。
ですので、結婚前に使用していた通称名の苗字(このケースでは木村)にすることもできますし、新たにまったく違う好きな苗字にすることもできるわけです。
例えば佐藤や斎藤などの日本風の苗字や帰化前の本名と同じ李にすることもできます。
在日女性は木村花子という名前で帰化をしました。
そして日本人男性の加藤太郎さんと結婚して自身の戸籍を抜けて夫の戸籍に入籍しました。
この場合に離婚すると、夫と同じ苗字である加藤にするか、旧姓の木村にするか、どちらかを選択することになります。
結婚をしてから帰化をする方が離婚した後の苗字の選択肢が増えることになります。
増えるというか自由に決められるので離婚後の苗字の選択だけに絞って言えば、帰化して結婚するか、結婚してから帰化するかでは大きな違いがあるということになります。
だからと言って、離婚することを見越して結婚する人はいないと思いますが、頭の片隅には入れておいてもいい情報ではないかなと思います。